練馬区の29歳の新田一朗様(仮名)への返信
練馬区の新田一朗様(仮名)29歳からのお手紙を受け取りました。
お手紙ありがとうございました。
*お手紙は、公式サイトトップ→【連絡方法】→【ファンレターの宛先】項に出ている編集部宛で必ず届きますが、タイミングによっては回送が遅くなることがあります。あしからずお許し乞う。*
Q
『結婚は人生の墓場か?』において、なぜ『白夜行』を『白い夜を行く』に変えたのですか?
A
そんなに深い意味はなかったのです。
変えないと、読者によっては、
その固有名詞だけにとらわれて固執してしまって、
肝心の『結婚は人生の墓場か?』のほうの本筋を見失う人がいるので、
その危険を避けるため。
あと、東野さんが
「『白夜行』の雪穂はぼくには魅力的な、いわばぼくの理想の女性です。ぼくは悪女が好きなんですよ」との旨、インタビューでおっしゃっていたので、
悪女について考え、
「雪穂は悪女度は低い」と思ったのです。
「『白夜行』の雪穂には、完全犯罪を企てるだけあって、考えに論理がある。
悪女というのは、論理の通じない女性のとだ」というテーゼが私にはあって、
小早川さんの妻の名のほうは、雪穂としたのです。
Q
長身の女性には逆ナポレオンコンプレックスがあると思いますか?
A
1990年以前には、そういう女性もけっこういたのではないでしょうか。
大柄な女性は、自分が小柄に見えてほしいという願望があって、ものすごく長身の男性を求める、といったようなこともあったかもしれません。
ただし。
『みんなどうして結婚してゆくのだろう』だったか『すべての女は痩せすぎである』だったか、なにかで書いたとおり、「すごく背の高い男性」は、だいたいの場合「すごく背の低い、見るからに小さい女性」が好きな傾向が、1990年以前にはあった。
しかし、2000年代では、背の高い女性が自分より背の低い男性と恋人同士になることもよくあり、私も往来でそんなカップルをよく見かけるようになりました。
それでも、ちょっと前は、女性のほうはヒールのある靴をはかないようにしてましたが、現在では、長身の女性もすごくヒールの高い靴を気にせずはいています。
時代とともに、
また、個人的にもその人が年をとるとともに、
身長に対するこだわりめいた感情は、弱くなるのではないかと想像します。
私個人を例にしても、思春期のころはもちろん、35歳以下までは、芸能人男性にも好みがありました。
それが今では、「阿倍寛はそりゃあ外見としてはカッコいいだろうが、だからといって小倉久寛がイヤとも思わん。べつにもう、どっちでもよいよ」
と思いますし。
※外見がカッコいい=どんな洋服も似合う、ていどの意味。
御質問への答えといたしましては以上でございます。
■
滋賀県から上京してきたころ、新田様のお住まいのあたりに、わたくしも住んでおりました。
きっと今では駅の様子も変わってしまったことでしょうが、
今でも、あのあたりのころの風景を懐かしく思い出します。
中村メイコさんの家や檀ふみさんの家のご立派な様子とか。
滋賀県には近江鉄道という私鉄が走っています。堤康次郎が創業した会社です。
なので、上京してきたとき、西武線の「肌色+薄ピンク」車両を見て、滋賀県と同じなのでびっくりしたものです。
もっとも、1980年ごろでも「肌色+薄ピンク車両」は西武線では旧式車両で、黄色が新式でした。
このことを滋賀県の同級生に話すと、「ほな、近江鉄道も、そのうち車両が黄色になるんやろか」と、みんなの反応。
果せるかな、5年ほど後に近江鉄道にも黄色い車両が登場しました。
新田様ご自身のご病気にくわえ、お母様のご病気のこと、さぞやお辛く、たいへんなこととお察しいたします。
私の父親も、いくつか病気のあるうちの一つが、新田様のお母様と同じものでした。また、下宿していた先のお家の方が新田様と同じご病気を患っておられましたので、こうしたご病気がどれほどたいへんなものであるかを目の当たりにしたのです。
わたくしには新田様とお母様に何をしてさしあげることもできませんが、
『リアル・シンデレラ』の倉島泉ちゃんが、
ひとときは新田様のよき話し相手になってくれたのなら、たいへんうれしく思います。
お手紙をありがとうございました。
姫野嘉兵衛(カオルコ)
☆2012・7月過去ブログ再アップ
『結婚は人生の墓場か?』については
https://bunko.shueisha.co.jp/recommend/suga_15.html
『リアル・シンデレラ』
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334764296
お手紙ありがとうございました。
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Q
『結婚は人生の墓場か?』において、なぜ『白夜行』を『白い夜を行く』に変えたのですか?
A
そんなに深い意味はなかったのです。
変えないと、読者によっては、
その固有名詞だけにとらわれて固執してしまって、
肝心の『結婚は人生の墓場か?』のほうの本筋を見失う人がいるので、
その危険を避けるため。
あと、東野さんが
「『白夜行』の雪穂はぼくには魅力的な、いわばぼくの理想の女性です。ぼくは悪女が好きなんですよ」との旨、インタビューでおっしゃっていたので、
悪女について考え、
「雪穂は悪女度は低い」と思ったのです。
「『白夜行』の雪穂には、完全犯罪を企てるだけあって、考えに論理がある。
悪女というのは、論理の通じない女性のとだ」というテーゼが私にはあって、
小早川さんの妻の名のほうは、雪穂としたのです。
Q
長身の女性には逆ナポレオンコンプレックスがあると思いますか?
A
1990年以前には、そういう女性もけっこういたのではないでしょうか。
大柄な女性は、自分が小柄に見えてほしいという願望があって、ものすごく長身の男性を求める、といったようなこともあったかもしれません。
ただし。
『みんなどうして結婚してゆくのだろう』だったか『すべての女は痩せすぎである』だったか、なにかで書いたとおり、「すごく背の高い男性」は、だいたいの場合「すごく背の低い、見るからに小さい女性」が好きな傾向が、1990年以前にはあった。
しかし、2000年代では、背の高い女性が自分より背の低い男性と恋人同士になることもよくあり、私も往来でそんなカップルをよく見かけるようになりました。
それでも、ちょっと前は、女性のほうはヒールのある靴をはかないようにしてましたが、現在では、長身の女性もすごくヒールの高い靴を気にせずはいています。
時代とともに、
また、個人的にもその人が年をとるとともに、
身長に対するこだわりめいた感情は、弱くなるのではないかと想像します。
私個人を例にしても、思春期のころはもちろん、35歳以下までは、芸能人男性にも好みがありました。
それが今では、「阿倍寛はそりゃあ外見としてはカッコいいだろうが、だからといって小倉久寛がイヤとも思わん。べつにもう、どっちでもよいよ」
と思いますし。
※外見がカッコいい=どんな洋服も似合う、ていどの意味。
御質問への答えといたしましては以上でございます。
■
滋賀県から上京してきたころ、新田様のお住まいのあたりに、わたくしも住んでおりました。
きっと今では駅の様子も変わってしまったことでしょうが、
今でも、あのあたりのころの風景を懐かしく思い出します。
中村メイコさんの家や檀ふみさんの家のご立派な様子とか。
滋賀県には近江鉄道という私鉄が走っています。堤康次郎が創業した会社です。
なので、上京してきたとき、西武線の「肌色+薄ピンク」車両を見て、滋賀県と同じなのでびっくりしたものです。
もっとも、1980年ごろでも「肌色+薄ピンク車両」は西武線では旧式車両で、黄色が新式でした。
このことを滋賀県の同級生に話すと、「ほな、近江鉄道も、そのうち車両が黄色になるんやろか」と、みんなの反応。
果せるかな、5年ほど後に近江鉄道にも黄色い車両が登場しました。
新田様ご自身のご病気にくわえ、お母様のご病気のこと、さぞやお辛く、たいへんなこととお察しいたします。
私の父親も、いくつか病気のあるうちの一つが、新田様のお母様と同じものでした。また、下宿していた先のお家の方が新田様と同じご病気を患っておられましたので、こうしたご病気がどれほどたいへんなものであるかを目の当たりにしたのです。
わたくしには新田様とお母様に何をしてさしあげることもできませんが、
『リアル・シンデレラ』の倉島泉ちゃんが、
ひとときは新田様のよき話し相手になってくれたのなら、たいへんうれしく思います。
お手紙をありがとうございました。
姫野嘉兵衛(カオルコ)
☆2012・7月過去ブログ再アップ
『結婚は人生の墓場か?』については
https://bunko.shueisha.co.jp/recommend/suga_15.html
『リアル・シンデレラ』
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334764296