姫野カオルコ(嘉兵衛)のブログ…運営&宣伝=KOGA工房

★小説家。嘉兵衛は雅号。「嘉兵衛」で「かおるこ」と読む。
 
ちょっと前のもの
 
大家、敷金を返してくれない、まとめ

敷金を返してくれない大家さんと、大家さんと交渉してくれない不動産屋に、アタってしまった。

弁護士さんにあいだに入ってもらった結果、「ハウスクリーニング代は原則的に大家が負担する。敷金は店子にもどさないといけない」という常識にもとずき、敷金を返してもらった。経緯は以下の通りです。似たようなトラブルが、多発しているとのことです。とくに「昭和30年代くらいから、お祖父さんの代から、ずーっとアパートやってた」っていう家の大家さんは、古い習慣のままなことが多く、トラブルが多発しているそうです。以下、参考にしていただければ幸いです。

では、経緯です(注・ただし値段や年月など、〃数字〃は、読んだ人がわかりやすいものに変える)

§§§§§§§§
神奈川県のコーポαに3カ月だけ住むことになりました。
・コーポαの家賃は10万円。
・敷金は2つ(=2か月分=20万円)
・敷金2のうち1は、退室時にも返さない
・ハウスクリーニング代5万円も払う
これが契約でした。

まず「ハウスクリーニング代5万円を払う」という項目について補足します。

近年の最高裁の判決で「ハウスクリーニング代は原則として大家の負担」となりましたが、「原則として」ですから、細かな契約はその物件ごとに違います。コーポαでは、どの店子にもハウスクリーニング代を支払わせる、という契約でした。
次に「敷金2のうち1は返さない」について補足します。
これは不動産屋ハウス×ムが、「短期貸しは大家がいやがるので、1は返さない、ということでどうですか」と大家のα夫人にもちかけ、α夫人が「それならいいです」とウンと言った、今回の私にかぎっての条件。

 

さて3カ月経ちました。コーポαを出ました。
店子の私には5万円もどるはずです。
内訳は、敷金2のうち1は返さない約束。残り敷金1(10万)からハウスクリーニング代(家賃の半分である5万)を引くと5万円です。
***
・α夫人は5万円を返してくれません。
・α夫人はさらに追加7万円払えと請求してきました。
請求理由は、
「クッションフロアのちょうど木目の模様の部分に2僖ズがついているので取り替えた。そこだけ取り替えることができずキッチン全室の取り替えになったので12万円かかった。
返すべき敷金5万円から超過した分は7万円。それを払って下さい」
というものです。
***
いくらなんでもな請求ではないでしょうか?
本来なら20万円返すところを、10万円でよいと私は呑んでいる。短期貸しだからと。さらにハウスクリーニング代5万も払った。既述のとおり近年に最高裁での判決から「ハウスクリーニング代は大家負担が原則」となっているものの、コーポαの契約ではハウスクリーニング代は店子持ちだとしていたから。

クッションフロアのキズは、2僂任后その小ささからして、キズがついた原因が、私にあるのか、引越し業者にあるのか、不明ながら、いずれにせよ故意にできたものではない。
つまりアクシデントです。
そういうアクシデントのために「敷金2のうち1はまるまるお渡しします」という、いわば保険をかけたのです。そして、そうしたこととは別に、ハウスクリーニング代も支払っている。
それでもなおかつ、クッションフロア取り替え代にかかった料金まで店子が支払わないとならないでしょうか?

せめて、
「その取り替え代金が予想外に高くついたから、残りの5万円も返さないのでOKしてくれ」
というのであれば、私も、おかしいと思うけれどがまんしたと思います。もめないですませる代金と思って。
しかし、
「残りも返さない」だけでなく「さらに7万円払え」というのは、いくらなんでも、おかしいと思う気持ちを抑えきれませんでした。 この気持ちは、もう、金額の問題ではない。
ものごとのスジとしておかしい! と思うのです。
土地を持っている人が、そこにアパートを建てて大家となり店子に部屋を貸す。大家は店子から賃料をとる権利があります。同時に、貸す部屋を、人から家賃をとれる状態にキープしておく義務もある。短期貸しのペナルティも店子からとり、ハウスクリーニング代も店子からとり、さらに追加料金も店子からとるというのは、いくらなんでも、権利と義務のバランスが不均衡すぎる。スジとしておかしい、と思ったのはこういうことです。

しかも、このコーポαは、室内の照明器具・ガスコンロ・エアコンは、すべて入居者が買ってとりつけるようになっていました。

 

不動産屋ハウスコ×に、おかしいのではないかと言いました。
でも、なにもしてくれない。
ほんとに何もしてくれない。
「いや……その……、だってここは自己管理物件で……」
もぞもぞ言うばかり。
そこで、弁護士に依頼をしました。
金額的には弁護士料のほうが高くつくので、金額的にはトクにはなりません。でも、スジとしておかしいのはガマンならなかった。
***
α夫人から弁護士経由でメールが届きました。
「住んでいた3カ月のとき、お出会いするたび、もっと長く住んでくださればよいのにと思っていたのですが、そう思ったのはまちがいだったのですね。1月2月3月と住んでらしたけど、2月には家賃を月末ではなく翌日の1日に振り込んだりして、だらしない人でした。そして、クッションフロア取り替え代の差額の7万円を支払わないだけでなく、敷金の残り5万円を払えなどという請求をされるなんて、なんて気持ちの悪い。たとえ3カ月の短いあいだとはいえ、そんな気持ちの悪い人と同じ屋根の下に暮らしたかと思うとゾッとします」
弁護士が、「これは感情的になっているので、じかに会ってお話したい」と思い、電話をすると留守電はフランス語で「ボンジュール、いま不在です(注・ここもフランス語)」と応答メッセージが。
つづく。 ***
α夫人は45歳。12歳と15歳の女の子の母。夫は在宅での仕事。α夫人は身長156僉B僚釘苅賢圈ヘアスタイルはロング。腰よりはちょい上くらいのロング。束ねずつねにロング。つねにスカートでハイヒールで飼っている犬はパピヨン。(年齢や身長の数字は「くらい」という意味です)「ボンジュール」とフランス語をつねに使う仕事をしている。
アパート経営を始めたのは祖父母の代から。アパートは、コーポα、コーポβ、コーポΘの3物件。
こうした背景と、弁護士へのメールから、私が思ったことはこうです。
「ああ、この人は、フランス語よりロシア語をやったほうがいいな。そしてゴーゴリを読むといいな」
です。
「アパート経営者という意識ではなく、地主の感覚で45年生きてきたのだろう」
です。
コーポα、β、Θは、大学の近くに建っています。その大学は日本で一番お金がかかるので有名な私立大学のひとつです。リッチ大学と仮称しましょう。
コーポαにいるときすれちがうのはみな大学生か大学院生といった住人でした。
リッチ大学の学生で、賃貸住宅に住むのは、首都圏生まれの人ではなく、地方出身者です。部屋代は地方在住のお父さんとお母さんが出しているのでしょう。出せない親の子はリッチ大学の寮や、大分県寮、岐阜県寮、青森県寮といったところに入りますから。
なので、α夫人所有のコーポに入って、出て行くとき、α夫人がいかなる要求をしてきても、それをそのまま、右から左に、地方の親に伝え、伝えられた親は「そうか、都会ではそんなものか」と思うというか、地方の親は一戸建てに住んでいるのが大半なので、「賃貸契約」というものに不慣れで、東京ではというより、「アパートに住むということはそういうことか」と思い、疑うこともなく、言われたとおりに、お金を払うのでしょう。
そうして、ずっと、問題が発生することなんかなかったのでしょう。この「ずっとそうだった」ことが、α夫人を、ゴーゴリの時代の地主の感覚にしたのでしょう。
だから、(弁護士を通しての)私の「おかしいのではないか」という問いかけは、
「ンマア!、なにをおっしゃっているざますの!」
という怒りになったのでしょう。
***
このあと、えんえんとモメました。弁護士さんもびっくりするくらい。弁護士さんとしてはカンタンにかたづくケースと思っていらしたようです。
というのは「敷金は返さないとならない、部屋の補修費は大家が負担が原則なのが、いまでは常識」なのですが、むしろ、店子のほうに、これを知らない人がけっこういて、それをいいことに大家が返さず、おかしいじゃないですかと言ってきた店子にだけ「あら、忘れてたワ」みたいなかんじで返すケースが、最近では多く発生しているのだそうです。私が依頼した弁護士さんも、これだろうと思われたようです。
ですが、α夫人の場合は、いったい何を請求されているのかが、根本的に理解できないのです。
彼女がもし、「なんとか敷金を返さないですませよう」といったような気持ちなら、弁護士にあんなメールはよこしません。だって、あのメール、弁護士に返す内容ですか?
「敷金とは、店子が、何らかの事情(会社をクビになるとか、交通事故で死ぬとか)で、家賃が払えなくなったときに備えて、先に大家に払っておくお金のこと。よって、家賃を問題なく払っていた店子が、部屋を出るときには、大家は、この敷金は全額、返さないとならない」という法的な説明をしている弁護士に、
「家賃の振込が1日遅れた。だらしがない人だと思っていた」とか「3カ月とはいえ同じ屋根の下で暮らしたかと思うとゾッとする」とか言い立てる自分が、自分でまったく見えないわけです。
なぜ見えないかというと、地主が小作農に、部屋を使わせて「あげている」という感覚しか45年間、持ったことがない人だからでしょう。
(ここで、蛇足ながらお断りしておきますが、1日遅れたのは、次に引っ越す先の都合があったからで、その事情も、あらかじめα夫人にちゃんと説明し了承を得ていたことです。)

コーポαの、私の入った部屋には、照明がありませんでした。店子がとりつけないとならない。エアコンもありませんでした。これも店子がとりつけないとならない。ガスコンロもありませんでした。これはよくあること(コンロは多くのアパートは店子各自がとりつけることになっている)ですが、小さいコンロはとりつけ不可で、2万円以上するバーンとしたコンロしかとりつけられないキッチン。ですから、3か月のあいだは、電子レンジ料理と、さいわいすぐ近くにコンビニもありましたので、それとリッチ大学の学食でまかないました。ですから、本当にキッチンは汚していません。浴室も、私は毎日ジムに行くので、95%をジムの風呂でまかないました。浴室もほとんど使わぬまま。TVもなく、エアコンもとりつけず、喫煙はせず、ほんとに部屋はきれいに使いました。
1階・北向き・道路に面しているため、24時間カーテンは閉めていないとならず、クローゼットにしまっていた洋服にカビがすごくついたため、けっこうな量の洋服は処分せざるを得なかった。でも、こうしたことは反論にはできません。
相手はあくまでも、「わたくしの、この立派なお部屋を、小作農に使わせてあげている」という感覚「しか」ないわけですから、言われても「わからない」ことだからです。
***
さてまあ、このへんでα夫人のことはおいて、この件で、私が一番ハラがたったのは、α夫人より、不動産屋ハウすコむです。
仲介手数料として家賃ぶん(10万円)とってるわけです。こういうことがあったら、もっと、ちゃんと大家と店子のあいだに入って冷静に事の収拾をつけてこそ、「仲介業」じゃないんですか?
弁護資料(5万円)は、不動産屋ハウすコむに請求したいくらいでした。じっさい、そうすることはできないかと相談したのですが、ハウスコ×の落ち度を客観的に証明することができないので無理とのこと。あきらめました。みなさん、アパートを借りるときは、くれぐれも、不動産屋さん選びは慎重に。


このたびのことは、ことが極めて単純な事項なので、最高裁の判決がどうのこうのを知らずとも、権利と義務の配分の常識をベースにすれば、常識にのっとっているほうが、裁判では勝てます。
私は裁判になることをかくごのうえで弁護士依頼をしました。裁判にかかる日数や手間や費用のほうが高くついても、この件はスジとしておかしいと納得できなかったからです。
でも、市役所や区役所でも無料相談にのってくれるはずです。これを「めんどう」と思う人が大半なので、α夫人のようなゴーゴリの時代の感覚の大家さんが、いまでも大勢棲息しているのでしょうね。
***
しかし、私もまた、α夫人のような「知らないゆえに」常識外れなことをしでかしていることがあるはずです。
東大文径瓦如◆嵜禿検廚琉嫐を「親愛なる」という意味だと思い、勝手に他人の封筒を開封していまう人もいますから。
他山の石としようと思ったコーポαの一件でした。
***
裁判になる直前に、α夫人のほうから、弁護士さんの口座に返すべきお金が振り込まれていました。
「それならそうと、電話の一本くらいしてほしかった。だまって振り込んでそのままとは失礼な人だ」
とは、弁護士さんの弁。たぶん、小作農にお金をもどすのが、α夫人はよほど悔しかったのでしょう。

オワリ(2017・4・27ブログ再アップ)

Q)家を訪ねるときに何を持っていくのがよいですか? fm姫野

Q)知人の家に行きます。何を持っていくのがよいでしょうか? Q)友達が出産しました。プレゼントは何がよいでしょうか? Q)ちょっとした知り合いの誕生日です。プレゼントは何がよいですか? Q)骨折した友達のお見舞いに行きます。何を持っていくのがよいでしょうか? 等々、プレゼント系、ぜんぶまとめて質問。

回答A)すべてまとめて姫野がお答えします。

=回答者profile 姫野カオルコ =姫野嘉兵衛。作家。'58滋賀県生まれ。非大衆的な作風だが独特の筆致で男女問わぬ読者。『昭和の犬』で第150回直木賞受賞。連絡先は公式サイトhttp://himenoshiki.com/の《連絡方法》参照。

答え=消えもの

−だれかにプレゼントをするときは「消えもの」がよい。食べたらなくなるもの。使ったらなくなるもの。やめるべきものは、カップやスカーフやスリッパやタオルや枕カバーや掛け布団カバーといった、食器、衣服、アクセサリー、バッグ、リビング用品はやめよ。私はそう思う。各人の好みがあるのに、もらったら申し悪くて処分するに処分できない。

(あなたと相手が「何がよい?」「×社の××年の××」とチョー具体的に訊いて答えられる関係の場合は別。そういう関係ならチョー具体的に訊いてあげてください)

−出産祝いなら、おしりふき。とくにトイレに流せる外出先で使える小分けのもの。自分では割高だから小分けのものより、まとまったものを買われるだろうから、プレゼントこそ小分けの、外出先でトイレに流せるもの。それから、紙おむつ(メーカーにこだわりのある人でも、1、2パックなら外出先用として使える)。

−家を訪問するなら、ちょっとよいトイレットペーバー12ロール、鼻セレブのティッシュ、ちょっとすてきなミネラルウォーター、発泡ミネラルウォーター。

−入院見舞いだってあなた、花束なんか持っていったら、ベッド周りが狭くなる場合もあろうし、病院によっては衛生上禁止のところもあるんだし、入院見舞いは、あなたがその人に見舞おうと予定している金額をすべて、500円玉や百円や千円や細かいのにして封筒に入れてあげるのが、もっともその人の助け(便利)になる。と私は思う。病院って意外に小銭がいるし。

−だから私は自分の本を人にプレゼントするのは原則的にやめている。本なんて、ふつうの人は読まないよ。本なんて、ふつうの人はもらったら迷惑だもん。

まとめ。人に贈り物をするとき。消えものがよい。飲んだらなくなる。二、三回使ったらなくなる。そういうものがよい。

味の好みが多少、合わなくたって、「へえ、自分では買わないけど、こういう味だったのか」と贈り物ならうれしい。「私の趣味じゃないけど…」というものだって、二、三回使ってみるなら冒険だ。

それでも、もし「消えないもの」を贈る場合は、「使わないときはだれかに譲るなり、バザーに出すなり、どうかお気軽に、自由に処置してください」と添えるのが気遣いだと私は思う。そして、そうしたものがバザーで、ほんとにほしい人の手にわたったら、その贈り物にとってもうれしいと(私は)思う。

そこで例として。

・ボディソープやシャンプー(相手がアトピーかどうかを調査する必要がありますが、これとて日持ちしますから、贈った相手が別の相手に譲ることが簡単なものです)

・ルームフレグランスやフレグランス用スティック。

フレグランスそのものは好みがあるとしても、スティックは消耗品です。たのしい色付のものや、高級素材のものなど、自分では買わないけど贈り物にもらうとうれしいようなスティックが売っています。

・紅茶・コーヒー

紅茶にも好みがありますが、薄いネット(やコットンバッグ)に入ったティーバッグなら、自分で買うなら好みのものを茶葉で買う人も、贈り物なら、ふだん買わない香りの茶が便利なティーバッグだとよろこばれるのではないでしょうか。コーヒーはたまに体質的に飲めない人がいるので事前調査が必要です。

・酒

これも事前調査が必要ですが、生菓子とちがって長期保存できます。贈った相手本人が飲まなくても、その人は保管しておいて、何か集まりのときに持っていって使ってもらえたりします。

×これは避けたほうがよい

掛け布団カバーとか枕カバーとかクッションカバーとか、これはもう、その人の好みや、その人の家のインテリアの色合いがあるから、いくら高級品だからって、その人の住まいに合わない(邪魔する)ものなら、もらったほうは迷惑でしかない。カップもバッグも。酒や菓子(日持ちするもの)とちがって、何かの機会に譲るということもできない。すごく迷惑な贈り物です。あ、くりかえしますが、もちろん、「どこそこのこのカバーがほしい」と言い合える関係の相手には別ですよ。

Q)姫野さんは何のプレゼントがうれしいですか?

Q)あなたは何をもらうとうれしいですか。ただし商品券的なもの以外で。

A)自分(姫野)

(1)自著を買ってくださること、これに勝るものはありません。
(2)

・ハーフワインor2合とか1合の日本酒。ハーフワインや小さい瓶の酒は、割高なので、自分ではなかなか買わないから。でも、ちょっとだけ飲みたいときなどに、とても便利。

・靴型のホカロン(靴に入れるホカロン)。

・トイレットペーパー、ウェットティッシュ(除菌タイプ)、ティッシュボックスとか?難点はかさばることですかね。

 

Q)「でも、ワタシがお酒が飲めなくて、お酒のことがよくわからないんですけど…」

A)そうですか、では銘柄をあげますと以下です。

・ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット 375ml

・エドシック・モノポール・ブルートップ。
・プロセッコ スプマンテ ブリュ ハーフボトル

・コルドンネグロ フラシネ ハーフボトル ブリュット

わたし、ブランドにこだわりはまったくありませんので、スパークリングワインの「ブリュット(辛口)」なら、okです。

 

・日本酒は、磯自慢、緑川、田酒、美丈夫、〆張鶴、立山、獺祭、淡麗辛口のもの。だいたい酒飲みは甘口が嫌いですから、それをおぼえておけば、他の方でも大丈夫と思います。わたくしにかぎっては「大吟醸」をありがたがらないです。「大吟醸」ならおいしいとはかぎらないじゃないですか。むしろ、香りが濃厚でウルサイッと思うやつもよくあるんで。

 

Q)もらってイヤなものは何ですか?

A)アスティ。スパークリングワインの「アスティ」を、わたくし、憎悪しております。

A)アイスクリーム。ケーキ(とくにモンブラン)。クッキー。「失恋ショコラティエ」に出てきたみたいな、中にふわっとしたものが入ってるチョコレート。

でも、こうしたものをもらってうれしい人もたくさんおられましょうから、あくまでも私の個人的な回答です。クッキーや水ようかんは、自分が食べないでも、日持ちするので、ご近所さんや知人に譲れますよね。でもアイスクリームやナマクリームケーキや草餅だったりすると、日持ちしないから、そうはいかない。これは、私にかぎらず、「迷惑な贈り物第一位」だと私は思う。たとえケーキ大好きな人でも、一人暮らしなら、10個も大きな詰め合わせもらったら困るんじゃないですか? 深夜に帰宅したらお隣さんにも配れないじゃないですか?

 

ある地方に行き、その地元の新聞で取材を受けたとき、その新聞社では、取材相手にギャラは支払わないという規定なので、「御礼のキモチです」ということで、ごく簡単なお菓子をくださった。こういうことは、よくある。ほんのキモチというくらいの。それはありがたいことである。とてもうれしい。だけど生菓子はやめてほしい。個人的には私は菓子はやめてほしい(T_T) 。380円の〆張鶴1合のほうが10000倍うれしい。280円の八海山1合カンでもよい。キレイキレイウェットティッシュ1つとかさー。お菓子をほんのキモチにする、っていう習慣はもうやめたらどうだろう。。。つまり、「粗品=お菓子」だけの発想をやめたらどうだろう。

 

そのお菓子をどうしたかというと、持って帰れず、困って、泊まったホテルの従業員の方に食べてもらいました。

Q)本を出版した人へのプレゼントは何がよいですか? 回答=姫野カオルコ

【ひ】姫野カオルコ(ひめの・かおるこ)日本の小説家。1958年滋賀県生まれ。非大衆的な作風だが独特の筆致の心理小説で読者層は男女同数。2014年『昭和の犬』で第150回直木賞を受賞。最新作は『近所の犬』。
 
http://www.youtube.com/watch?v=XtOTCmecCf8&feature=youtu.be

【出版のお祝いのプレゼントとして、よい案はないでしょうか‘】という質問が掲示板「知恵袋」に出ていた。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10115808930
この掲示板への質問者も回答者も、みんな、ころっと忘れている。なにを?「出版へのプレゼント」であるということを。「誕生日祝い」「結婚祝い」ではない。「本を出したことへのプレゼント」なのだ。

同様の質問を2000年か2001年か、知人のオカノさんから受けたことがある。
「会社の元同僚が本を出しました。出版記念パーティに出席するにあたり、何かプレゼントをと思っています。元同僚の本は姫野さんの書くジャンルとは全くちがうものなのですが、本を出している人へのプレゼントとして何がよいかアドバイスをください」
同じ質問をしたい人がこのサイトを発見してくれることを祈る。
本を出している側からの回答です。(fm姫野カオルコ)
・・・・
オカノさんの元御同僚をAさんとします。Aさんの著書を『A本』とします。
私の提案どおりのプレゼントをAさんにされたら、Aさんはまちがいなく、ものすごく喜ばれます。断言します。
〇まず前提として、
「プレゼントをしようと思ってくださったオカノさんの気持ち」を、Aさんは喜ばれます。

●では具体的には何を?
誕生パーティではないのです。出版記念パーティなのです。Aさんが「本を出した」。そのお祝いなのです。それを忘れないでください。
Aさんへの最大最高のプレゼントは、著書『A本』を買うこと。

●「あたりまえだ」と言われるでしょうか?
とんでもない!
その著者の本を1冊も買わずに、その著者の出版記念パーティに出席する人が大半なんです!
読まなくていいから、せめて1冊買って、出版記念パーティに出席してあげてください。

●「すでに1冊は買ったよ。それに加えてプレゼントをしたいんだ」というのであれば…。
Aさんの『A本』をもう1冊買ってあげてください。
もうあと2冊、もうあと5冊、もうあと10冊、でもかまいません。
冊数は、あなたの、プレゼントに想定していたご予算でかまいません。


そして本屋さんに領収書を書いてもらいます。
たとえば3冊かったら、但し書きに、
【『A本』△冊分として】
と書いてもらいます。
そして、その領収書を、ちょっとこぎれいな封筒に入れて渡す。
これが、もっともよろこばれるプレゼントです。
(自費出版の場合は、本人から買ってあげてください)


●「お金の金額がわかるのはちょっと…」と思われますか?
それを心配されるのはわかります。
しかし、くりかえします。「誕生日のプレゼント」じゃないんです。
出版記念なんです。
本を出すのはたいへんなんです。
私など、いまでも、出してもらえると、ほんとうにうれしく、毎回出版記念パーティしたいくらいです。

 

★出すのもたいへんだけど、もっとたいへんなのは何か?
もっとたいへんなのは、
「本を買ってもらうこと」!
なんです。

世間の人は、本を買いません。
年収1000万円あっても本に10円出すのはしぶります。
靴や服が2900円なら「わっ、お買い得」と思っても、本が300円だと「高っ」と思います。ましてや1700円も出さないとならないのなら失神しかねません。

 

ただし例外は、有名なタレントの書いた本、タレントやテレビ番組が話題にした本です。(※話がちょっと逸れますが、現在21世紀ですが、パソコンは実は普及していません。世の中の人の大半はテレビしか見ません。ラジオも聞きません。ひたすら世の中の人はテレビです。)
だから、テレビに出ていない人(ふつうの著者)がもっともよろこぶのは、「本を買ってもらう」ということです。読まなくてもよい。買ってあげてください。

●「なら1冊だけだと悪い…」と思われますか?
そんなことありません!
いま、「×冊ぶんの領収書をプレゼントするとよい」と言いました。
Aさんはたぶん「×冊」の数字になんか注目しません。
金額にも注目しません。(そりゃまあ、100冊買ったら注目するでしょうが、1冊買ってもらえば涙が出るほどうれしいのです)

くりかえします。
本を出すのって、たいへんなんですよ。
ましてや、買ってもらうのはもっともっとたいへん。
だから、「買ってくださった」ということが、なによりうれしいのです。

●「それはわかった。でも、パーティのあと、家に4冊も『A本』があっても困るなあ」と思われますか?
そうですね。
そういうときは、ブックオフに行かないでください。
ブックオフは同じ本を複数冊受け取ってくれません。盗難目的に本をごそっと盗んで売る輩がいるためです。
そもそも、プレゼントの気持ちで買ったわけです。なら『A本』をブックオフに売るのは舛添要一みたいでみみっちい。

知り合いにあげるのもやめたほうがよい。
そんなことすると、こんどはそれを受け取った人は「義務感」みたいなものを感じます。
義務感は『A本』という本にも生じてしまいます。

そんなことは避けたほうがよい。

それより、図書館の、「寄贈コーナー」に置いてくれぱよい。
寄贈コーナーを通りかかった人は、気軽にふと持って帰りやすい。
そして読んでみて、以来、Aさんのファンになる人もいるかもしれないではないですか。Aさんへのなによりのプレゼントではないですか。

●「それでも、なにか〃モノ〃をAさんにプレゼントしたい」ですか?
もし、あなたの実家がみかん農家で、実家からみかんがたくさん送られてきたのなら、みかんを一袋プレゼントするのはよいと思います。もし、あなたがクイズに当たって、洗剤のアタック30本詰めをもらったとしましょう。その洗剤アタックの2つをプレゼントするのはよいと思います。
つまり、何かを無料で、あるいは格安で、たまたま手に入れた。それをプレゼントにするなら、Aさんも、ありがとうと思われましょう。

けれど、わざわざ何かを買ってAさんにプレゼントするのなら、Aさんは、
「わざわざお金を使ってくださるのなら、それだったら私の本を買うのに使っていただきたかったわ。。。」
と思われます。

●くりかえします。
本というものを、世の中の大半の人は、買わないからです。

本を読むのは(100字以上の文章を読むのは)、世の中の大半の人にとって苦痛なのです。
手紙さえいやがる人がいます。私はなじみの飲食店の人に「開店20周年を祝う手紙」を書いて出したことがあるのですが、400字(原稿用紙1枚)もあったために、「おれ、手紙は読まないから」と迷惑がられたことがあります。

わざわざ「出版記念パーティ」をされるような方は、出版にこぎつけるまでたいへんなご苦労があったのです。
一冊でも多く自分の本が世の中に出回りますように、と祈っておられるはずです。
出版された方へのお祝いは、その方の著書を買ってあげること。これより他にお祝いはありません。これに勝るお祝いはありません。
(2012・12・1ブログ再録)

目の見えない人に会ったら、手を引くな fm姫野カオルコ(嘉兵衛)

連れと4人で駅前のマクドで待ち合わせをしたら、目の不自由な人がゴミの分別に困ってらしたので手伝った。目が見えなくなってまだ日が浅いかんじの人だったので、「お手伝いしたほうがいいですか? かまわないほうがいいですか?」と訊いたら「手伝いをお願いします」と言われたので、階段をいっしょにおりて、交差点を渡って、駅の改札までいっしょに行った。

彼が杖を持っているのは右手だったので、私は彼の斜め左前に立って、「左手をのばしてください。私の腕があります」と言い、彼の左手で、私の上腕を掴んでもらった。「あなたは今、私の腕の上のほうを掴んでいますよ」「はい」「では、動きますよ」「はい」「階段です。私から先におりますね」「はい」「あ、向かいから人がのぼってきました。あなたの右側をすれちがってのぼっていくかんじになります」「はい」。マクドを出た。

「この前の交差点をわたると駅ですが、駅までいっしょに行ったほうがいいですか?」「はい、お願いします」…というかんじで、状況中継(?)しながら駅の改札までごいっしょしたのだが、ほかの連れ3人が、あとから「びっくりした」と言う。

「わたし(ぼく)、今まで、手をひこうとしてた。そうすると立ち止まってしまわれるんで、こっちも困ってしまって、いつもどうしたらいいのかわからなかった」と。3人は博識の人ばかりだったので意外だった。

「目の不自由な人の手をひいてはだめ」というのは、けっこう昔にどこかで教えられたので、いつもそうしていたのだが、「それ、そんなにみんな知ってることではないと思うよ」「盲導犬を撫でたりしてはいけないということより、ぜんぜん普及してることじゃないと思うよ」と言うので、今日はこの話をアップしておく。

こういうサイトも見つけた↓

http://www.thka.jp/blind.html

(2016・12・1ブログ再アップ)

profile

姫野カオルコ =姫野嘉兵衛。作家。'58滋賀県生まれ。非大衆的な作風だが独特の筆致で男女問わぬ読者。『整形美女』(光文社文庫)など著書多数。

連絡先は公式サイトhttp://himenoshiki.com/の《連絡方法》参照。

手紙の書き方(だれか宛て)、文例、具体的

手紙を書いたことがないという人も増えている現在ですが、社会人になれば、手紙を書く必要がある場合も出てきます。ネットで調べてさっさと書いて出そうとする人も多いですが、その姿勢で書くと、書いた手紙が相手に届いたときには、相手をムカッとさせる内容や礼儀作法になっていることだってありえますから注意されたし。

いえいえ、ネットで調べることが悪いんではないですよ。ネットで調べて、それを足掛かりにして、もうすこし自分なりに手紙の書き方に注意して、書けば、相手の胸に響く文面にもなるだろうに、という意味です。

基本的な体裁は、このサイトなどどうでしょうか。http://www.midori-japan.co.jp/letter/letter-manners

でも、具体的な文面はどう書けば? それには「作家の手紙」(角川文庫)などいかがでしょう。「作家の手紙」というタイトルから、いろんな作家が、だれかに出した手紙を集めたものだと思われるかもしれません。ちがいます。

日常生活で、苦情の手紙を出さないとならなくなったときの手紙、せっかく送ってくださった中元の品が実は腐っていたので困っているという手紙、こんな小説を書いたから見てくれと一方的に原稿を送られてきて断る手紙、などなど、具体的なシチュエーションを作家が想定して、具体的に手紙文を示している文庫です。

タイトルがよくないなあ(と、思う)。「日常手紙の文例集・プロ作家作成編」とかにすればよかったのに。

https://www.amazon.co.jp/%E4%BD%9C%E5%AE%B6%E3%81%AE%E6%89%8B%E7%B4%99-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%8C%97%E6%96%B9-%E8%AC%99%E4%B8%89/dp/4041612284

レビューを投稿している人も、みなさんこの本を誤解されたようです。手紙形式の短編集なんだ、と誤解してしまった人。作家がほんとになにかの機会に書いた手紙を公開して集めたと誤解してしまった人。手紙形式のショートショートと誤解してしまった人。などが投稿されているようです。ちがいますって。…うーん、まあ、こういうふうに読んでたのしむのも、アリかもしれませんので、これらの方のレビューが悪いというのではありませんが…。

この企画について、私はこの本の編集者から詳しく説明を受けたですよ。「読者が、日常生活で、手紙を書くときには、よくある手紙文例集によくあるようなシンプルなお祝いや連絡だけじゃないでしょう。ビミョーなシチュエーションというのがありますよね。そういうシチュエーションを想定して、その具体例を書いてほしい。だから、いわば実用書だと思って書いてほしい」と。

(fm姫野)

姫野カオルコ(ひめの・かおるこ)。漢字表記は姫野嘉兵衛(嘉兵衛でカオルコと読む)日本の小説家。1958年滋賀県甲賀市生まれ。非大衆的な作風だが独特の筆致の心理小説で読者層は男女同数。『昭和の犬』で第150回直木賞を受賞。最新文庫は『純喫茶(PHP文庫』。連絡先は「姫野カオルコ公式サイト」から http://himenoshiki.com/

 

 

 

「親展」の意味/姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

「親展」の意味を知らない若い人が増えているようだ。
手紙を出すことが減っている現在、自分宛てに届いた手紙というモノを手にしたことがない若者もいるようだ。「親展」と宛て名に記された封書など見たこともなく、「親展」という文字も見たことがない若者は多いのではないか。

【親展】
「親」=自ら、「展」はひろげる、の意。
「この手紙は、必ず、御本人が自分で、開封して下さいますようお願いします」というときに、差出人が封筒に記す語。


「親展」と記された手紙を、宛て名以外の人が開封した場合、厳密には法律違反である。
手紙は基本的に神聖なものである。
とはいえ、「親展」と書いてカミソリを入れて女子アナに、TV局気付で送るぶっそうな人もいないではないから、現代社会はたいへん悩まされる。

進藤健一、肴ごはんの文中に…fm姫野カオルコ

朝日新聞be、6月16日付の「作家の口福」に、「いただく」の誤用について書いたところ、be始まって以来というくらいの量の手紙とfaxとメールと電話とはがきが来たのですが、拙稿の右下に、「構成・進藤健一、肴ごはん、日中祐市さん考案の料理」を「クタッとさせ、丸々いただいた」とあり…。……。一種のマーフィの法則?

吉祥寺本町のI井Mリさん、朝日新聞BE、作家の口福、「たねや」のカタログ、fm姫野

朝日新聞「BE」の「作家の口福」寄せた拙稿は、いつも私がことあるたびにイカっている「いただく」についてであった。ただイカっていた場所が小さな媒体であったせいか、賛同してくれる方がほとんどいなかった。しかし朝日新聞は大きな媒体だったせいか、読者からメール、ファックス、電話、の反響がたくさんあったそうで、「これだけメールやハガキが来るのは非常にめずらしいです」と連絡があった。一例がスキャン電送されてきた。

吉祥寺本町のI井さん、ありがとうございます。

 

……と書いていたら、先日、お菓子を紹介した「たねや」の「夏カタログ2016」の「初伝 たねや最中(もなか)」のキャプションに泣いた。

「北海道産小豆の餡をはさんでいただきます」だ。
みなさま、「御意見」を言ってあげてください……。
https://shop.taneya.co.jp/contact/

サービス料をとってタバコを吸わせるのか? by姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

その店は、料理がおいしい。
店員さんの気遣いもこまやかで、どの客にもやさしい。
トイレもきれいにしてある。
インテリアもよい。

みんなよいのだが、禁煙ではない。

いまは喫煙者が2割なので、タバコを吸う客にはそんなに遇わないのだが、このあいだは2人いた。
2人いるだけで、店内がタバコの匂いでいっぱいになった。天井が低いためである。

いつも、この店は、おにぎりの海苔がふんと、ものすごくいい香りで出てくるのに、タバコの匂いのおにぎりになってしまった。あぶりウニもタバコの匂いつき。ワインもタバコの匂いつき。

この店は、サービス料をとる店である。
なのにタバコを吸わされるのはかなわない。店員さんの、こまやかな気遣いもタバコでだいなしである。つまり、どんなに気遣いをしても、禁煙ではない店というのは、もっとも気づかうべきことを気づかっていない店だ。

タバコを吸う人は悪くない。
店がどうぞ吸ってくださいと言っているのだから。

つまり、禁煙ではない店というのは、自分の店の料理を自分でバカにしている店だ。
「うちの味は二流でございます。味に気をつかっていません」と言っているのと同じだ。

タバコを吸う人に文句を言うのはおかしい。
タバコを吸いたい人は吸えばよい。

禁煙の店に愛煙家が来た場合、愛煙家は「ちょっと表でタバコを吸ってくるね」と、タバコタイムをたのしめるし、非喫煙者も料理をたのしめる。両方ともたのしめる。
なぜ、2割の喫煙者にだけ、飲食店はこんなにも「こまやかな気遣い」をするのか?