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★小説家。嘉兵衛は雅号。「嘉兵衛」で「かおるこ」と読む。
 
ちょっと前のもの
 
再暗黒の東京、松原岩五郎、第二弾 tw姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

「再暗黒の東京」(松原岩五郎・講談社学術文庫)について、日を変えてコメントしてゆきます。番号が若いのが古い日付です。

今日2018・4・9は(2)です。

 

(2)岩波か講談社か、どちらの版がいいか?

Amazonにかぎらず、書評というものを極力見ないようにしている私ですが、古典(明治以前)については、このルールではありません。それで、Amazonで「再暗黒の東京」についてのレビューをちょっと見たら、「講談社文庫のイラストの印刷が不鮮明だから、入手できるのなら岩波文庫をおすすめする」というものがありました。

私は両方読んだのですが、21世紀の読者には、どちらかというと講談社学術文庫のほうをおすすめする。講談社文庫に収録された当時のイラストが〃歴然と〃不鮮明だとかズレがあるとも思われない。「比較したらまあそうかもしれないみたいなっていうか」程度ではないかな。それに岩波文庫が入手できたところで紙が古びているから、やっぱり不鮮明だと思うよ。

それに個人的には、岩波文庫の、注釈の入れ方がキライ。わかりにくい。やっぱりそのページ内に注釈があってほしい。その点、講談社学術文庫版は、注釈が、本文と同じページ内にあってわかりやすい。ただ、注釈なのか、たんなる( )書きなのかの区別がわかりづらい欠点があるが、それをふまえてもなお、読み進めやすさが勝つ。

それから、講談社学術文庫のほうは、坪内祐三さんの解説入り。この解説も、「再暗黒の東京」が明治期に出た背景を簡潔に解説してあって、とてもよい。そうかそうなんだ、潜入ルポでありながら、この全編にわたって流れる、あの情感はロマン派なんだと、ほんとに解説してもらえる。

 

(1)衝撃の潜入ルポとして有名なこの本は、岩波文庫から出ていて、読む者みなを驚嘆させていたが、絶版になっていた。それが講談社文庫から、また出たので、未読の方はぜひお読みください。一行一行、衝撃です。

岩波文庫には著者=松原岩五郎の写真が出ていたが、講談社文庫には入っていない。でも注釈の入り方が講談社文庫のほうがわかりやすい。

しかし松原岩五郎は、こんな潜入ルポをして健康をそこなわなかったのだろうか?病気感染、寄生虫感染、だいじょうぶだったのだろうか?

tw.by姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)=作家。http://himenoshiki.com。ウィキ=https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%AB%E9%87%8E%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%B3

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終業式、姫野カオルコ、角川文庫

京女に行ってたら……おっと、全国のみなさん、「京女」って「きょうおんな」じゃないのよ。「きょうじょ」。京都女子校の略ね。

きょうじょ(京女)を中3のとき受けた。あのとき、県立に行かずに私立別学に行ってたら、どうなってたんだろうな、と思うことがたまにある。

共学の、公立の、高校の、日常を(1970〜80代)、手紙やFAXやメモだけで綴る「終業式」角川文庫。

終業式、角川文庫、姫野カオルコの帯の「私が」って誰?と話題になっているそうです。角川書店営業部のkさんのこと。

実は姫野カオルコの本の中で、売れているのは「終業式」「ABOAB」それに「読書をたのしもう(岩波ジュニア新書)」なんです。。。

見明凡太朗でした、村田知栄子の夫だったのか tw姫野カオルコ

過日の「風速七十五米」の良心的な建設会社の社長(ヘイドモンジョの叶順子のお父さん役)は見明凡太朗さんでした。そうか。3−7ケイコちゃんしらべ。「最も危険な遊戯」「超人バロム1」にも出ている。

そうか「カルメン故郷に帰る」に出てた?しかし、そうか、村田知栄子と結婚してたのか!そうかー。

村田知栄子といえば、もっとも私を泣かせた女優。ジュリエッタ・マシーナか村田知栄子かってくらい。「永すぎた春」の、ラストは葛西善蔵の「子をつれて」とせるよ、まったく。

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宇津井健、水戸黄門、風速七十五米 tw姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

風速七十五米、昭和38年大映、この映画ですでに宇津井健はザ・ガードマンの気配だ。

https://www.amazon.co.jp/%E9%A2%A8%E9%80%9F%E4%B8%83%E5%8D%81%E4%BA%94%E7%B1%B3-DVD-%E5%AE%87%E6%B4%A5%E4%BA%95%E5%81%A5/dp/B000FHVVFG

それでですね、私は大映映画が好きですが、かんちがいさせているかもしれませんが、「なつかしくない」ですよ。なつかしくて見てるわけじゃない。大映映画を夢中になって見たもんだ、という世代は私より10歳くらい上の世代ですね。ジムで同世代の人としゃべっても、だれも京マチ子の映画見てないもん。なつかしくて見てるんじゃなくて、日本映画がめちゃくちゃパワーあった時代の作品がおもしろくて見てるのと、もうひとつは1950〜60年代の基調な日本の光景が興味津々、ものすっごくおもしろくて見てる。

 

これはもう映画の圧倒的勝利で、このおもしろさは映画にしかない。だからこのころの映画は、何見ても、その話がつまらなくても、この点はたのしめるのが保証されてますから、やめられないですよ。

 

それで、さて、風速七十五米は、製薬会社のネオンの立派なのが完成して、そのお祝いに屋上でパーティが開かれて、テープカットするのが、「・・建設のおじょうさんにテープを切っていただきます」って、いまなら考えられないような人が(ネオンをつくるのをうけおった建設会社の社長の娘さん)カットしている。その役が「痴人の愛」でナオミをやった叶順子、へい、ドモンジョ、だ。

この映画では、へいドモンジョな雰囲気ではなくて、叶さんは映画ライトで目をいためて早くに引退したが、もっと長くやっててほしかったな。

 

季節は夏で、スクリーンの中の、会社のシーンも家の中のシーンも、みんな冷房は、扇風機。宇津井健は「台風は危ないんだ」と言いながら、どのシーンでも腕を拭く。そうか、この時代、サラリーマンは腕にも汗をかいたんだなとは思うが、ほかの男優が額や首を拭くのに対し、宇津井はとにかく腕を拭くのが印象的だった。

 

この映画は「黒のテストカー」みたいな、企業サスペンスで話をもっていこうとして、そこに当時としてはすばらしい迫力の、いまみてもすばらしい特撮をいれこんだ。そのため、作品としてはどっちつかずになったきらいがありますが、そんなことはもう大映を見ているとたのしくて、どうでもよくなる。

 

自然を侮るな、人間は奢るな、という警鐘を鳴らすドラマにしていくつもりなのが、田宮二郎の格闘シーンになると、動きがかっこよすぎて(それはもう、ほんとにかっこよくて、プロポーションもほかの俳優とはぜんっぜんっちがうため、ほんとにかっこよくて)「娯楽映画〜!」になってしまい、ますますどっちつかずになるのだった。そこがおもしろかったが。

 

そして、田宮二郎というひとは、あまりにかっこよくて、それが架空なかんじして、すてきとかどっきんとか、あるいは女性が夢の中で、抱かれたい俳優としておもいえがくようなタイプにすこしもならない。ショールームにかざってあるなにかみたいな、ザ・フィクション、というかんじなんだよね。こんな俳優いないよ。ほんとに早死にしてもったいない。次男はお父さんによくにてたのに、これも早死にしてもったいない。美男薄命だ。長男はおかあさんに似ている。おかあさんがまた、日本映画史上、屈指の美人で、フジはフジでも山本富士子より田宮夫人のほう整った顔ではないかと(CGグラフィック的に)思う。こんな美女と結婚するところがまた、田宮二郎の「ザ・フィクション」なところだ。

 

ドモンジョ叶順子のお父さん(建設会社の社長)が、私には佐野浅夫に見えるんだが、あれ、だれですか?キャストを検索しても出てなくて。佐野浅夫にしては昭和38年なら、もっと若いはずだから、ちがうのか。うーん、昨日のブログに書いた、あの謎のおっちゃんに、聞きたいところだ。

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加賀まりこの家、長谷川一夫の顔を切ったやくざ、 tw姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

映画が始まるのを待っていると、知らないおっちゃんが声をかけてきて「すみませんが、週刊文春の映画のページをちょっと見せてくれない?」と言う。私は文春を読んでいたわけではない。ただ映画が始まるのにそなえてスマホを切ったりしていただけだ。でも、たまたま鞄の中に文春が入っていた。(なんでわかったの??)と思ったが、まあ、持っていたから、映画のページを開いてみせた。

 

すると、おっちゃんはふんふんと、とりあげられている映画をみて、「ありがとう」と言ったので、私は文春をしまった。するとおっちゃんは「いま、週刊新潮を読んでたんだけどさ、××子さまは婚約破談だな」と言う。「はあ」「・・さまが悪知恵で破談にするんだろう。かわいそうに××の初孫なのに。どう思う、・・さま、悪知恵だよね」。映画館は、これから映画がはじまるのでシーンとしているのに、そんなところで・・さまが悪知恵と思うかどうかをきかれても。

 

だまっているとおっちゃんは、「お姉さんは、田宮好き?」と訊く。「田宮好き?」という部分の「好き」は、すべるスキーのイントネーションで、「田宮好きー?」と訊く。「はあ。大映が好きです」と答えると、「えー、そうかい、大映が。そうかい、へー、大映が」とおっちゃん。「ね、六本木(六本木と言ったようなきがするがちがう地名だったかな)に・・・組ってのがあるんだよ。やくざの・・・組。そこのやつが、長谷川一夫の顔を切ったんだ。大谷がさせたんだな。やめるってんで。そんでそいつが切った夜、大谷といっしょに陰にいたのが永田社長だ」「はあ」「なんでもきいて。おれ、裏話、なんでも知ってるから。そんでね、永田社長が愛人を映画に出させてるんだ、なんていう女優かしってる?」(……うーんと、女優を愛人にしたんじゃない、愛人を女優にしたんだ、と言ったのは大蔵貢社長だしなあ…永田社長の右腕の娘なら、加賀まりこだよなあ…)と考えていると、おっちゃんはじれて、答えを言ってくれた。「中田康子」。

 

そうするうちはじまるブザーがなったので、おっちゃんはどこかへ行った。

そのとき見たのは田宮二郎だけが出ている映画ではなくて、風速75メートル。田宮二郎がこの映画で初めて出てくるシーンは風呂場から腰にバスタオルをまいて出てくる。

(そういえば…)

そういえば、田宮二郎は、すごくシャワーシーンやふろあがりのシーンが多い。これは当時、大映としては女性観客にサービスしていたのではなく、きっと男性ファンにサービスしてたんだと思う。大映の映画の話をすると長くなるので、やめておく。

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マギー司郎さん、大好き、リアル・シンデレラ tw姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

昔はネットがなくて情報を得るには「ぴあ」しかなく、その「ぴあ」だって発刊当初は「こんな便利な雑誌が出た!」とすごい話題だったそうだ。1970年代サイケの学生は、なにかイベントはこつこつ自力で得るかポスターをみかけるとかしかなかったらしい。

だから「ぴあ」があった私の学生時代はまだ便利だったのだが、それでも「ぴあ」にはマギー司郎さんのマジック開催場所まで出てなくて、サイケ時代の学生みたいに、こつこつ自力でマギーさんをおっかけるしかなかった。「会場でお手伝いしてくださる方いるかな?」と言われると、手をいっしょうけんめいあげていた。「好きな色を言って…」といういつものマジックね。

この話は前にもしたな。それで、あるとき、マジックショーのあと、ちかくの店で、マギーさんがごはんを食べていらして、握手してもらった。

それからずーっと年月がたって、「リアル・シンデレラ」という小説を書いたのだが、私にとって倉島泉ちゃんはマギー司郎なんだ。マギーさん、家がなくて、いろんな駅のロッカーにちょっとの荷物をおいて、あちこち風来して、暮らしてたんだよね。ホリエモンがホテル暮らしはミニマムな生活、スーツケース2つもあったらそれで人はやっていける、って発言していたがスーツケース2つもあったら、って多すぎないか? やっぱりマギーさんとじゃ格がちがう。修道女もボストンバッグ1つで移動なんだよね。鴨長明は折り畳み式の家で移動。方丈のあの家、釘はなくてネジでとめるようになってて、パタパタと畳んで移動していたというが、京都の冬って寒かったろうに。

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姫野新刊、長編、夏発売予定、タイトルは 

ようやく長編原稿のめどがたちました。担当編集者※が読むまではドキドキの日を送らないとなりませんが、それが昨日終わり「?」で「!」だったので、昨年6月以来、ようやく昨夜は休めました。

担当編集者の名前が…母校の高校の同級生でアメリカンフットボール部だった男子と同じ苗字と名前で、名前だけだと3-7の野球部の男子と同じなので、つい呼び捨てをしてしまうのですが、マコトがタイトルは「サ、イ、ア、ク」でどうかと(笑)。

 

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ジュリア・ロバーツと日本閣とエリザベス・テーラー

 《げんなりシーン その4》

「プリティ・ウーマン」劇場公開当時、私はまだ30歳くらいで、当時はそこそこに英語が……(中略)…… そして「プリティ・ウーマン」時には、監督の指示なのか、それとも地なのか、エリザベス・テーラーの発声に似ている。エリザベス・テーラーの発声に似ていて、もっと割れた低い声である。

 エリザベス・テーラーの発声、よく聞いたことあります? あの完璧な顔http://images.easyart.com/i/prints/rw/lg/2/5/Celebrity-Image-Elizabeth-Taylor--Large-size--251057.jpg
からは「えっ?!」という発声なんですよ。『日曜洋画劇場』でエリザベス・テーラーを知っていた私の世代にはエリザベス・テーラーといえば武藤礼子さんのような美声という印象があるでしょう? 私もありましたとも。ところが、吹き替えなしのリズの声は「えっ?!」というもので……集英社文庫「ブスのくせに!」では

https://honto.jp/ebook/pd_25287789.html

 

★以下、公開期限超過につき削除★

 

福満しげゆきさん、綾瀬はるか(週刊文春)をぜひ見てほしい tw.姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)

福満しげゆきさんにはぜひ、今売り(2月15日号)の週刊文春の、巻頭グラビアの、綾瀬はるかを見ていただきたいものです。

妻と自転車で出かけて、妻がころんで、そのことを福満さんのせいだというような旨で怒るシーンがあって、それがすごくおかしくておかしくて、怒っている妻の頭に「なんか葉っぱみたいなの」と書き文字で注が入ってるのが、ものすごくおかしくて30分くらい笑い続けてたことがあったんです。

今週の綾瀬はるか(いつもかわいい)のグラビアは、福満さんの漫画を思い出した。

tw.by姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)=。http://himenoshiki.com。ウィキ=https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%AB%E9%87%8E%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%B3

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素直な戦士たち、風車の弥七、でおどろいたこと tw姫野カオルコ(=姫野嘉兵衛)

「素直な戦士たち(城山三郎・新潮文庫)」を読みまして…。ドラマのときは水戸黄門の風車の弥七さんがお父さん役だったのか。本筋についてはネット世代の読者がレビューを寄せられているようなので、そちらにおまかせしまして…。本筋とは逸れたところで、わたくし、たいへんショックを受けまして…。文庫から引用いたします。(親指シフトなので、本を脇にして読むだけでサーッと引用できますんで)

●p80(息子、英一郎の東大合格まで母(妻、千枝)は化粧をやめることにした

「一生涯しないのかい」 「いえ英一郎が東大に合格するまで」 (略) 「しかし、きみ、女にとって…」「そう、つらいことですわ。でも先刻のテレビもそうですけど、あなたにいろいろ辛抱していただくでしょ。わたしだって、女としていちばんつらい辛抱をしなくては、と思ったの」

〇こう↑決心した千枝がデパートに行って、そこで秋雄(夫)と待ち合わせをすることになる。

●p111 部屋(姫野注・会社の部屋)を出ようとする秋雄の背に北(姫野注・会社の女性社員)が斬りつけた。「奥さん、化粧してきてないんでしょうね」「うん…」「わあ、見てみたい。化粧なしでデパートへ来るなんて、どんなかしら」と原野(姫野注・女性社員)もはしゃぐ。

〇そして秋雄はデパートへ。

●p112秋雄は…(略)…不安になった。白色レグホンの群の中へ、羽毛をむしりとられた一羽が迷いこんでいる感じではないのか。(略)秋雄の視線が、まずその顔(姫野注・千枝の顔)に走った。(略)色を失った小さな唇。土色にさえ見える肌…。意識してきたせいであろう、場ちがいであり、みすぼらしく見えた。  千枝は秋雄の視線に気づいた。「化粧してないないからおかしいんでしょう」

●p119 係員に礼を言い(姫野注・次男が迷子になって保護された)親子四人、喫茶室に入った(略)千枝は疲れた顔をしていた。化粧をしていないので、よけい、やつれが目立った。

〇国立大学附属小学校の受験面接に、千枝はすっぴんで行くのだが…

●p141 「面接を受けるとき、きみ、化粧して行ってくれないか(姫野注・秋雄のセリフ)」 「どうして」(略)「しかし、それが採点にひびくかもしれん」(略)「それとも、こんな素顔の母親では不都合だ、というのですか」「試験管をできるだけ気分よくさせたほうが…」

●p142 (千枝は)やはり化粧のことが気になった。(略)化粧しようかと、家を出るまで迷い…(略)ひとり悩んだが…

●p143 三十代と五十代の二人の男は、遠慮のない視線を千枝に浴びせた。はじめて見る素顔の母親に、好奇心を隠そうとしない。千枝は、頬がほてり…(略)

 

というわけで、化粧をしないことが、大事件なんですね。これはこの小説が刊行されたのが昭和53年だからなのか?それとも著者の城山三郎が昭和2年生まれの男性だからなのか?まるですっぴんであることが、ゴジラ出現なほど大騒ぎなのはどういうことだろうと思っていたら…。

そういえば。

私はいつも顔を洗ったあと日焼け止めクリーム(ロート製薬)を塗るだけなのですが、それも塗るのを忘れていることがあるのですが、なにも「化粧することはよくない!」と思っているわけではないのです。それで、たまにすることがある。たまにしたとき、

「えっ、だれかと思った」と言われたり、「整形したんだ」(と、ヒソヒソ声で)言われたり、したことがある。

つまり、化粧すると顔がぜんぜんちがうように、人には見えていることがわかったので、こうした叙述は、21世紀の現在でも、多くの人には一般的な感覚なのだろうか?

…と思って、すると、やはり私は「マイナーなセンス!」「ああ、どんなに売れるものを書こうと奮起しても、基本的なセンスがマイナー?!」と思われ、ショックなのだった。

↓もよければ。

https://honto.jp/netstore/pd-book_27672859.html