餅とだんごは違う、まつむらひろみちゃんのおまんじゅう
「ケーキ嫌い」という本を出しているのですが、
でも、そういえば、
幼稚園のころ、幼稚園児のみんなが、
「おばあさんの食べはるアイスクリーム」
と悪口を言っていた、
「きんつばアイス(=大納言アイス、あずきバー、の類)」
を、
本当におばあさん※から、
ちょっともらって、
※小さいころ、いろんな人の家に預けられていた。
だいたいおばあさん(自分のおばあさんではない)が多かった。
ちょっともらって食べたら、
「おや? これはおいしいぢゃないか」
と思った。
■
落語の「まんじゅう怖い」にも、
なす先生の担任のころの国語の教科書に出てきた、
おまんじゅうをご褒美にもらってよろこぶ小学生の話※
※その話を劇にすることにしたら、
まつむらひろみちゃんが、ものすごく器用に上手に、
新聞紙をこまかくくだいておまんじゅうにして、
和紙で作った箱に詰めて、
「詰め合わせ」にして、
作ってきてくれて、
クラス一同感動した。※
にも、共感できなかった私であるが、
(ほんとに、まんじゅう怖い、と思っていた)
よく考えると、
まんじゅうの、
あの、ケーキ生地みたいな部分が嫌いだったのではないか。
もなかなら、三分の一くらい食べるぶんには、おいしかったし、
えびっさんの、よもぎだんごも。
大人になってわかったことだが、
私は、もち米がうまく消化できず、
胸焼けになってしまうので、
お赤飯など大好きなのであるが(味は)
あとで、胸焼けがおこる。
せんべい、あられも、
桜の花まるごと入りの道明寺も、
昼間に食べようものなら、
深夜まで胸焼けが続く。
なので、えびっさんのは、
餅ではなく、だんご、は、
そうならなかったので、よかったのであろう。
■
小川本屋さんのとなりの、てんりん焼きを、
だれかがおみやげにくれたので、
悪いと思って食べたときも、一日中、吐き気がした。
(胸焼けのせいで)
おかやま病院で、
ホットケーキを出されたときも
悪いと思って食べた。
あつこちゃんも、のりこちゃんも、つねちゃん(二人のイトコ)も、
「おいしい、わー、おいしい」
大喜びで頬張っている。
私は、あの甘い匂いだけで、ゲーとなりかけているのに、
そうは言えないじゃないか。
人の顔色をはげしく伺う性格なのに。
■
「小さいのでいい、いちばん小さいのください。」
と、言って、失敗して、ちょっとこげた、
小さい部分を食べた。
食べているあいだじゅう、吐き気をこらえた。
しかし、
がまんできず、
「帰る」
と突然、いとまをつげて、
家に帰った。
帰る道で、道端にかがんで吐いた。
だれもいない家に帰ると、本格的に吐いた。
小1だと、吐いたあとのしまつが、
一人ではきれいにできず、これもたいへんだった。
翌日になっても胸焼けがおさまらず、
学校を休むほどだった。
こうした体験により、
「ホットケーキ」
「ケーキ」
という「ケーキ」という文字を見ただけでも、
吐き気をもよおす反応になってしまい、
何十年と困っていた。
■
小麦粉とマーガリン(当時)たっぷりに、そこにはちみつ(当時はメープルではなかった)をかけたやつだったのが(当時のホットケーキ)、
だいじょうぶな人にはまるでだいじょうぶなんだろうけれど、
なかには、吐き気になってしまう体質の人もいると思う。
私だけではないと思う。
■
しかし、ホットケーキが嫌い、だと言うと、
「変わったことを言って、注目をあびたがっている」
というように受け取られることが、たいへん多く、
これも、長いあいだ困ったことだった。
だから
「ケーキ嫌い」
というタイトルは、
ほんとうにそうなんだからしかたがない、
という気持ちなのであるが、
還暦を過ぎても、
まだ時代は、
「わざと変わったことを言って」
と思う人が多いので、
困ったことだね。
『ケーキ嫌い』
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334793616
でも、そういえば、
幼稚園のころ、幼稚園児のみんなが、
「おばあさんの食べはるアイスクリーム」
と悪口を言っていた、
「きんつばアイス(=大納言アイス、あずきバー、の類)」
を、
本当におばあさん※から、
ちょっともらって、
※小さいころ、いろんな人の家に預けられていた。
だいたいおばあさん(自分のおばあさんではない)が多かった。
ちょっともらって食べたら、
「おや? これはおいしいぢゃないか」
と思った。
■
落語の「まんじゅう怖い」にも、
なす先生の担任のころの国語の教科書に出てきた、
おまんじゅうをご褒美にもらってよろこぶ小学生の話※
※その話を劇にすることにしたら、
まつむらひろみちゃんが、ものすごく器用に上手に、
新聞紙をこまかくくだいておまんじゅうにして、
和紙で作った箱に詰めて、
「詰め合わせ」にして、
作ってきてくれて、
クラス一同感動した。※
にも、共感できなかった私であるが、
(ほんとに、まんじゅう怖い、と思っていた)
よく考えると、
まんじゅうの、
あの、ケーキ生地みたいな部分が嫌いだったのではないか。
もなかなら、三分の一くらい食べるぶんには、おいしかったし、
えびっさんの、よもぎだんごも。
大人になってわかったことだが、
私は、もち米がうまく消化できず、
胸焼けになってしまうので、
お赤飯など大好きなのであるが(味は)
あとで、胸焼けがおこる。
せんべい、あられも、
桜の花まるごと入りの道明寺も、
昼間に食べようものなら、
深夜まで胸焼けが続く。
なので、えびっさんのは、
餅ではなく、だんご、は、
そうならなかったので、よかったのであろう。
■
小川本屋さんのとなりの、てんりん焼きを、
だれかがおみやげにくれたので、
悪いと思って食べたときも、一日中、吐き気がした。
(胸焼けのせいで)
おかやま病院で、
ホットケーキを出されたときも
悪いと思って食べた。
あつこちゃんも、のりこちゃんも、つねちゃん(二人のイトコ)も、
「おいしい、わー、おいしい」
大喜びで頬張っている。
私は、あの甘い匂いだけで、ゲーとなりかけているのに、
そうは言えないじゃないか。
人の顔色をはげしく伺う性格なのに。
■
「小さいのでいい、いちばん小さいのください。」
と、言って、失敗して、ちょっとこげた、
小さい部分を食べた。
食べているあいだじゅう、吐き気をこらえた。
しかし、
がまんできず、
「帰る」
と突然、いとまをつげて、
家に帰った。
帰る道で、道端にかがんで吐いた。
だれもいない家に帰ると、本格的に吐いた。
小1だと、吐いたあとのしまつが、
一人ではきれいにできず、これもたいへんだった。
翌日になっても胸焼けがおさまらず、
学校を休むほどだった。
こうした体験により、
「ホットケーキ」
「ケーキ」
という「ケーキ」という文字を見ただけでも、
吐き気をもよおす反応になってしまい、
何十年と困っていた。
■
小麦粉とマーガリン(当時)たっぷりに、そこにはちみつ(当時はメープルではなかった)をかけたやつだったのが(当時のホットケーキ)、
だいじょうぶな人にはまるでだいじょうぶなんだろうけれど、
なかには、吐き気になってしまう体質の人もいると思う。
私だけではないと思う。
■
しかし、ホットケーキが嫌い、だと言うと、
「変わったことを言って、注目をあびたがっている」
というように受け取られることが、たいへん多く、
これも、長いあいだ困ったことだった。
だから
「ケーキ嫌い」
というタイトルは、
ほんとうにそうなんだからしかたがない、
という気持ちなのであるが、
還暦を過ぎても、
まだ時代は、
「わざと変わったことを言って」
と思う人が多いので、
困ったことだね。
『ケーキ嫌い』
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334793616