古い映画を上映する映画館が都内にはありますが、圧倒的に男性客が多い。
映画館だって商業ビルだって、ふつうは女子トイレに列ができる。
しかし、こういう映画館は男性トイレに列ができる。
男性トイレに列ができてて、女性トイレはすいてる、という現象は、こういう「古い映画を上映する映画館」でしかおきない現象です。
「俺は鉄平」とか「ハリスの旋風」とか「巨人の星」とか、古い漫画の復刻版はどんどん出ます。みんな少年漫画です。
少女漫画は出ません。
男性は、想い出に金を出す。だが女性は出さない。女性が想い出に価値を見ないというよりは、すっかり忘れているから。(総じて、という意味ですよ。上記映画館でも、女子トイレは私だけが貸し切りだったわけではないんですし)
男性は過去の女をいつまでもおぼえているが、女性は昔の男なんか分かれた直後から忘れる、とよく言いますが、こうした「古い映画館」のトイレの列の男女差を見ていると、実感できます。
さて、「けものみち」須川栄三監督・池内淳子版を、御覧になった方も多いと思うのですが、私は、昔の邦画は好きですが、これははじめて見まして。
140分と長い映画なんですが、そして秀作なんですが、私はずーっと池内淳子の眉のメイクがヘンではないかと、それが気になって気になって。「〜」の形に描いてあるんですよ、眉ペンシルで。鼻のほうがやや太く描いて、眉尻のほうがダリのヒゲみたいにちょろりんと上にハネあがって、「〜」の、これの向かって左がちょっと太いかんじになってるの。なんで、こんなメイク? 気になりませんでしたか? といっても男性が圧倒的に多かったから、眉のメイクなんかより、入浴シーンのほうばかりに気が向いたかもしれませんが。
伊藤雄之助、小沢栄太郎、大塚道子は、「いつもの役柄」でした。