姫野カオルコ(嘉兵衛)のブログ…運営&宣伝=KOGA工房

★小説家。嘉兵衛は雅号。「嘉兵衛」で「かおるこ」と読む。
 
ちょっと前のもの
 
静岡県浜松市、M山Y美 様 fm姫野カオルコ(=姫野嘉兵衛)

ブログを読んでくださっている皆様。 浜松市のM山Y美さんという読者の方からお手紙をいただきました。Y美さん、お手紙ありがとうございましたお辞儀 浜松市といえば1990年代、駅前の第一勧銀ではBGMが小椋桂だったんですよね?

Y美さんのお手紙、私のほうもとても励まされましたので、ご紹介させてください。

 

拝啓。姫野カオルコ様。「謎の毒親」を読みました。読んでいて、気持ちがふわ〜っと、じわ〜っとシューっと癒されていくのがわかりました。癒しというと、最近の使われ方から軽い調子になってしまうのですが、本当に癒されました。

とくに児玉清人さんの返信が、理解してほしいことを理解してくれ、言ってほしいことを言ってくれ…とはいっても、よくみんなが言う「こちらの言ってほしいこと」ではなく、そうした「言ってほしいこと」よりも想定を越えた「言ってほしいこと」なので、本当に気持ちが癒されるのです。

 

また東華菜館の于周忠さんの手紙は、冷静で、というか現実的な想像を組み立てたしごく論理的な回答で、接客のプロだと少し笑ってしまうと同時に、于周忠さんの個人的な配慮もあって、すごく素敵でした。

……>あのお手紙は、本当に東華菜館の若社長さんからいただいたお手紙なのです。ご本人に許可を得て引用させていただきました。微調整は加えましたが。先日、滋賀県立高校3−7の友人といっしょにお店にごはんを食べにいきましてお目にかかりました。2年前にも一度、「週刊新潮」の撮影でお目にかかったことがあり、二度目の対面でした。40代の若社長さんです。3−7の友人たちは「おもしろい方だ」と若社長さんのいらっしゃるあいだずっと笑いが絶えませんでした。おそらくお客様の前では接客モードなのだと思います。というのは、取材でお目にかかったときは、とても内省的で物静かで、数時間のうちに、あの手紙をしたためて、私にくださったのですから。ヴォーリスさんの建築のすばらしい建物ですので、Y美さんも機会があったら行かれてください。味は、コースを頼むと万人受けの味つけ使用。アラカルトでたのんでシェアするとそれぞれの料理に個性があるかんじ…かな。なにせ私が行ったのは「謎の毒親」のころに1回、新潮の取材時に1回、3−7のみんなで1回、計3回しかなく、その3回のうち1回はあんな事件(?)になったし、取材のときは写真をとったりするので味を味わうというかんじではなく、最近の1回は同級生としゃべるのに忙しくて、味についてははっきり言って、3回とも注意が味に向いていませんでしたので、詳しく書けません(T_T)

 

作中にもありましたが、明確な悲劇でない出来事は、日常会話では相手にまったく伝わりません。やはり小説のように、ある程度のスパン(1日とか、1週間、数ヶ月など)の出来事、関わった人物の詳述などして、かつ読解力や想像力があり、感受性の強い人に読んでもらわなければ伝わらないと思います。※

……>そうなんですよね…。「ぼくは母親と、母親の再婚相手の男(戸籍上の義父)から、殴られてばかりいた。ひどいときには弁当箱に生のにんじんだけが入っていた」というような出来事は、とても悲惨だし、聞いた人も、その悲惨が「すぐにわかる」。そして、そうした悲惨な体験は、ほんとうに乗り越えるのがたいへんなことです。こうした体験を子供にさせる親は、「虐待親」で、こうした体験ではないのだけど、むしろ、一見、とてもよい親に世間の人からは見えるのだけど、「ひそかに」こわい影響を与えている親を、「毒親」と命名したのが、「毒親」の著者、スーザン・フォワードです。

精神医学の専門的な分類を、私は的確に正確に、ここに述べることはできないのですが、現在の日本では「毒親」や「アダルトチルドレン」と、「虐待親」「家庭内暴力」の区別がはっきりせず、日本人にとっては最もおぼえやすかった「毒親」という言葉だけが突出して普及しているように思います。

本を世の中に出すとき、とりあえずジャンルが一目瞭然であるようにするのが先決なので、「毒親」という語をタイトルに入れました。

「謎の毒親」は…(注)この話、長くなったので、ここは別枠で。

 

※私(姫野注、Y美さんのこと)も描けばよいと思うこともありますが、つらいことを思い出して、過不足なく書くのはたいへんなことだし、もし誰かに読んでもらって、ふーんで終わってしまったら傷つくだけですよね。

この本で姫野カオルコさんが過去の詳述をやってのけ(偉そうで申しわけありません。また、やはりすべてを書き切れていないだろうとも思います)、それに対するほしかった回答も書いてくださり、よかった、すごい、と思いました。

文容堂のみなさんの回答も、おそらく、姫野さんの頭の中で繰り返し繰り返し、問いと答えを求めつづけた軌跡なのだろうと思います。

…>そういう部分(私の中で繰り返し問いと答えを求めた)もあります。が、この小説は、もともと「ヨムヨム」に連載されたもので、毎回、「ヨムヨム」のツイッターに寄せられたコメントや、編集部内でのコメントもあったのです。

 

私(姫野注・Y美さん)も、(世間の)御名にわかってもらう必要はない。姫野さんの書いたこの一冊にわかってもらえたらよいと、今、思っております。また傷がひらいたときは、この本を読んで癒そうと思います。ありがとうございました。

☆追伸☆

姫野さんに倣って、数年前、親指シフトのパソコンを購入しましたが、今までの入力に慣れてしまっているので、なかなか使いこなせません。とくに「 」の出し方、! の出し方…などがわかりません。

…>長くなったので、これについては別日にしませう。

M山Y美さん、こちらこそ、ありがとうございました。2017・12・28 姫野カオルコ(姫野嘉兵衛)手紙