姫野カオルコ(嘉兵衛)のブログ…運営&宣伝=KOGA工房

★小説家。嘉兵衛は雅号。「嘉兵衛」で「かおるこ」と読む。
 
ちょっと前のもの
 
京マチ子、滋賀県、ど狸 tw姫野カオルコ

「現代インチキ物語 ど狸」https://movie.walkerplus.com/mv21142/

琵琶湖畔の料亭が舞台である。3−7のみんなが幼稚園だったころの三井寺ロケでの中村玉緒がかわいらしい。中村玉緒、いまでもかわいいが(おじょうさんがそのままおばあちゃんになっていて)20代のころの玉緒はほんとにかわいい。こういうかわいらしさを持つ女優さんが今、いなくなったのは、「お嬢さん育ち」という状態が「ありえなくなった」からであろう。今でも「××××子ってお嬢様なのよ」と言われる女優はいるが、それこそ大映TVがつくったようなカチワリのお嬢様育ちに「見える」ということで、経済や情報の変化と発達により、かつてのように「お嬢さん育ち」という環境状態はありえなくたった。

 

この映画の男主演は、「熱中時代」を見てた人なら「北野先生、わたしはねえ」の校長先生、「チャコとケンちゃん」を見てた人ならチャコちゃんのパパとしてなじんだ船越…ああそうか、松居一代の元夫のパパの船越英二。

松居一代は滋賀県出身だが、息子から松居を紹介されたとき、頭ごなしに猛反対したというから、この映画で、三井寺ロケや、湖畔のロケをした滋賀県の思い出は、紹介されたとき、しみじみ思い出されなかったのかもしれない。

 

女主演は京マチ子さんだ。京マチ子はいい!とにかくいい! 「出てきはったとき、百万ドルの脚線美て言われはったんやで」とか「グラマーでガイジンみたいやて、スタイルがほめそやされはった」とか、大正生まれの伯母が言うので、どれどれと写真を見た小学生の私は「なんで? 日本的な顔やんか」と思った。3−7のみんなもそうなのではないかと思うが、われわれの世代は「山本リンダ」こそが「こういう顔こそ新時代の顔、ガイジンみたい、こういう顔が美人」という顔だった。安西マリアとか、ゴールデンハーフのエバとか。

京マチ子はそういう顔ではない。でも田中裕子や黒木華のようでもない。日本的なんだがいままでの女優にはなかった、なんともしれない濃厚なものがある。原節子もそうだが、敗戦をあいだにはさんだ日本人が希望としたようなラグジュアリーさとゴージャスさがある。そして京マチ子の場合、こういう主演クラス女優には希有のコメディエンヌとしてのきっぷのよさがある。さすがは大阪生まれだ。どうどうとさらりとナチュラルにコメディをやってのける。なのに楊貴妃のように色っぽい。

ユーモラスだとかコミカルだとかいうことと色っぽい、セクシーは、なかなか両立しない。かりに両立するとキワモノコメディエンヌになってしまう。京マチ子はナチュラルに両立させている。

そして、これは小学生のころから思っていたことだが、京マチ子は「笑う3秒前くらいの口元」が最高にかわいい。

 

そのうえこの人、やぼったい汚れ役とかしぶといおばはん役とか、迷いなくやるんだよね。なんか、ほんとに女優だましいの人て、それが「やってみせます!」じゃなく、さくさくさくっとやってるのが、ほんとにもうしびれるほどよい。京マチ子、ああ好きだ。

とくに、完璧な卵型の顔のラインが顎のあたりでやや二重っぽくなっているのが、えもしれずエロい。ほんとによい。京マチ子さん、いいわー。

 

まあ、こういうことは、このころの日本映画ファンはみなさんおっしゃっていることなので、このへんでやめときまっさ。

 

それより、この映画について、だれもふれていないみどころがある。たぶん、だれもふれていないと思う。

この映画には実にチャーミングな出演者がいるんですよ。長くなったので、またあした。