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★小説家。嘉兵衛は雅号。「嘉兵衛」で「かおるこ」と読む。
 
ちょっと前のもの
 
東大三鷹寮
体調を崩したのが、さらに悪化しました。東大イベントの会場では、登壇者も来場者もふくめて、たぶん、私がダントツで最高齢者だったと思います。年をとって感じるのは、風邪をひくとなかなか治らないことです。

一つだけ、当日、うっかりしていたことがあります。来場者には『彼女は頭が悪いから』を読んでいない人も、ずいぶんいらしたはずですよね。それにうっかり気づきませんでした。ですので、未読の方に一つだけおつたえしたい。

『彼女は頭が悪いから』には、三鷹寮のシーン※は、一カ所もありません。
(※登場人物のだれかがそこで歩くとか、寝るとか、なにかするシーン)


この本は文藝春秋から刊行されました。文藝春秋という会社には東大卒の社員がものすごく多いので、東大についてはいろいろと教えてもらいましたし、アドバイザーになってもらった弁護士も全員が東大卒です。ブログに書いたものをホチキスでとめてハイと出したものではなく、校閲や法務局の点検をくりかえし、装丁もデザイナーが熟読し、内容に沿ったデザインをして、商業出版されたものです。フィクションというのはどういうことなのか、せっかくの機会に当日のイベントではもっと本質的な部分についてお話したかったのですが、しゃべれない体調になってしまいましたのは残念です。

ただ、あのような現場状態ですと、未読の人の中には、本書が三鷹寮でなにかあるシーンがあるのだと思ってしまう人もいるのではないか。そんな心配で、三鷹寮についてのみ当日の補足をさせていただきました。

(姫野カオルコ/姫野嘉兵衛)



既読の方へは次を↓をおしらせ。

小説は、漫画や映画のような視覚表現ではないため、一つのコマや一つのシーンにたくさん情報を入れられる視覚表現のようにはいかない。そのため、漫画や映画のようにダイレクトに突き刺さる力(共感させる力、感情移入力)は低い。

しかし、代わりに、文章を「読む」ということでしかできない、読み手の感受性の質※で染められるよさがあります。
(※読み手の感受性の質=その人の性格、といってもいいかもしれません)

『彼女は頭が悪いから』は、私の本としては異例に売れています。
それは、これまでのものが売れなかったことを(商業的に)反省して構成していったゆえだろうと思っていますが、でも、つまらなかった人もいると思うのです。まあ、これはあらゆる文章表現、視覚表現とわず、よくあることです。

ですので、私の本としては異例に売れていることで、姫野カオルコという著者名を、はじめて知ってくださった人で、『彼女が頭が悪いから』が好みではなかったという人に↓を。

◇『謎の毒親』新潮文庫

◇『喪失記』角川文庫(注・もう電子でしかないかな)

◇『整形美女』光文社文庫(注・容貌コンプレックスの人が整形する話ではない。カインとアベルの話)

◇『ひと呼んでミツコ』集英社文庫(注・一社にかたよって販促しないように工夫)

もちろん、全部、キライだったということもあります。私の本にかぎらず。バレエも映画も漫画も、こうしたものはみなそうです。

大学生のとき、読んでつまらなかった小説があって、最近、ふと読んでみたら、おもしろいのなんの、すごくおもしろくて、ほかのは?と思っても古いから絶版になってるから図書館で借りてきた。…こういうこと、60歳になると、あるんだなと、まあ、年をとってよかったことですかね。

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