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★小説家。嘉兵衛は雅号。「嘉兵衛」で「かおるこ」と読む。
 
ちょっと前のもの
 
(姫野カオルコtw.)精神病(躁病)の人に困っている話のつづき。ウルトラポジティブシンキング。
精神病(躁病)のAの直接の家族から、「あなたから言ってもらえないか」と頼まれた。

金の使い方や他人(それもふだんの生活でお世話になっている施設のスタッフ)に対する暴力……肉体的暴力というより、すさまじい暴言がおもだが)をひかえるように、なんとか説得してくれないか、と。

焼け石に水のような説得だが、家族としてはせめてそれくらいは言ってやって、という気持で頼んできたのだった。

Aは精神病のせいなのかどうか、文字通り病的に、気位が高い。気位いを損ねることをちょっとでも言うと、ものを投げつけてくる。
そこで私は、小出監督をみならって、
「Aさんは、車の運転がたいへんうまい。Aさんはそんな才能を生かしてドライバーの仕事をやっていらしゃいますね」と、まずはほめて、「そうやっていけばよいのだから、これこれしかじかなような態度はあらためるべきですよ」と、やんわりと言った。

そしたら。一カ月後。驚くことがおこった!

「親戚には東京で仕事をしている女の人がいて、その東京の女の人などは、おれのことを、才能があると言ってエールを送ってくれている。わかってくれている人もいるんだ。おれはりんごを買っているだけの男じゃないんだ」

と、全裸になって、施設の廊下を歩き回って、怒鳴り散らした。

人はだれも、都合の悪いことは強調したくないものである。だが、Aの場合、強調しないとか、そのことにふれない、とかではなく、記憶の改竄から思考の再構築があざやかにおこなわれるのである。

これは躁病に特徴的なものなのか、それともAのケースにかぎられるのか、精神科医ではないのでわからないが、素人としては、慄然とした。
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