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加藤哲郎『「飽食した悪魔」の戦後 』、流し読みできる部分は一カ所もなく、欄外の注釈部分ま……(ブログへ続くby姫野 )
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依頼原稿にとりかからないとならないのに、加藤哲郎・著『「飽食した悪魔」の戦後 731部隊と二木秀雄「政界ジープ」』は、「ひとたび表紙を開いたら、あとは離してもらえない」本だった。
流し読みできる部分は一カ所もなく、欄外の注釈まで、一字一句読んでしまった。

二木秀雄に焦点をあてることで、敗戦から石油ショック後までの「現代史」を、タイムマシンで旅行しているかのような、ものすごいヴィヴィッド(という形容をここで使うのは不適切かもしれないのだが、 それくらい 労作)な一冊だった。

資料写真も目をひきつける。雑誌のページ写真では、該当個所はちゃんと現代活字文になっているのだが、どうしても気になって、写真の、当時の活字で一字一句読んでしまった。
〜姫野カオルコ


731部隊ということで、 残虐行為についての詳細の本と思う人がいるといけないので、断っておきますが、そういう本とはちがいます。




ものすごく個人的な感想としては、この本を読んで、私は小学生のときの同級生の ケーエムくんを思い出した。
私はケーエムくんが、とても怖かった。
キノウエくん(仮名)より。
キノウエくんのことはみんなが怖がっていた。先生も。
ナス先生のクラス時代の(3、4年時代の)キノウエくんしか知らない同級生は、わからないかもしれないが、5年のときに、彼を制止する教師的能力に欠けたモリオ先生担任時代の彼を知っている者なら、彼がこの時期、クラスに与えた、暗いプレッシャーをわかってもらえると思う。
(じじつ、毎日のように、彼については職員会議が開かれていたのである。多くの児童は知らなかったかもしれないが)

しかし、私はキノウエくんよりケーエムくんを恐れた。
あきらかにケーエムくんはIQが高かった。キノウエくんより、もちろん私などより。「ものすごく」と形容をつけてもよいのではないかと、いまでも思っている。
ノーベル賞がとれたろうとはいわないが、膳所高校にいけるくらいの高さ。

でも、彼の家は、田舎にあり、家庭も、そういう家ではなかった(子供に、上のいい学校に行ってもらいたいと希望するような家庭ではなかった)。

だから、同級生たちはケーエムくんのIQに注目しなかったかもしれないが、おりにふれ、私はそれを感じていた。
それだけなら怖くないどころか、むしろ好感を持つのだが、
彼は同時に感情のメモリが3つくらいしかない人だったので怖かったのである。「眠い、腹が減った、女のパンツ見たい」くらいの3メモリくらい。

ものすごく単純(心の襞が少ない)で、知能指数は高い。これが、キノウエくん(犯罪)と結託するのである。
キノウエくんが逮捕され牢屋に入れらて、オ×××くんはむしろ被害者なのにいっしょにとばっちりで牢屋にキノウエくんよりは短く入らなくてはならなくなり、ヒクムラくんは家の人に保釈金を積んでもらって入らなくてすむ、でも、ケーエムくんだけはちょっと注意されてすむ、ような構図。

ケーエムくんみたいな人がいちばん怖い。
いちばん油断しちゃならない人だ。
そう思って、恐れていた。

顔は、俳優の戸浦六宏に似ていて(戸浦がまたそのころ、ドラマ「友禅川」でイヤな怖い役をやっていたのだ)、おかげで、私は大学生になってさえ、戸浦六宏が映画やドラマに出てくると怖かった。

鼻の穴が上を向いて、よく青い粘着質な鼻汁が穴の縁についていた。
夏休みに星新一の『ボッコちゃん』を読んでいた。

二木秀雄が、戦前から戦後にかけて、世の中を渡っていったようすは、私にはケーエムくんを思い出させた。
ケーエムくんに似た種類の人に、1学年上の・や・・さんがいる。

私は現在でも彼と接触しないとならない事情があるのだけど、 なんだか、いつも、警戒してしまう。
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